#381 Martin OO-18E ― 2013/06/20
本日はマーチン・ギターの異端児、0018Eの紹介です。

■マーチン 00 -18E 1959年製 used@★sold out★■

発売された59年〜64年までにわずか500本程が生産されたレア・モデルの初年度モノです。

仕様を見ていきましょう。
トップはスプルース単板、スキャロップ無しのXブレイシング。

サイド&バックはマホガニー単板。
ネックも1本ものマホガニー、トートイズシェル(べっこう風)のピック・ガード&ボディー・バインディングです。

指板・ブリッジ・ヘッドの化粧板にはブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)が
使われています。
ペグは軽快なクルーソン・デラックス。
ピックアップは他の機種のマーチン・エレクトリックでも使われたディアルモンド製。
50'sの初期グレッチでもお馴染みのダイナソニックと同じタイプのものです。

ウィーク・ポイントを何点か。
バック、サイドに数カ所のクラック有りますがキッチリと補修されています。
トップにもマーチン・クラックと右肩丈夫にクラックが見えますが固着しています。

演奏及び音的にも支障は無いと思います。
恐らく古い時代に全体にオーバーラッカーが吹いてありますが、ネック裏などは自然に剥げてきていて薄いものと思われます。

変更されているパーツはブリッジ・ピン(ブロンズ製に変更)とVo&Toneのノブです。
ノブの下の目盛りや矢印の描いてある丸いプレートはオリジナル(?)と思われます。
ブリッジがボルト&ナットで補強してあり、上からパール・ドットで隠してあるのは
元からの仕様です。

真っすぐなネックは若干3角ネック的ですが古い極太ギブソン・ネックなどとは違い
スリムで、0~000系スケールの短さもあり、両端のエッジもなだらかで弾き易いです。
和音を弾いた時のキレイな響き、コードのまとまり感は流石マーチンです。
単音はマホガニー系ギター特有の甘さがありながらも、スモール・ボディーらしい
良く通る音です。

そして、このデュアルモンドPU、好きな人にはたまらく良い音だと思います。
サスティーンが短いせいかプラグインしても生音的な歯切れ良さがあります。
トーンも良く効きます。ボディーが小さめなので低音もブーミーにならず
ハウリングにも強いです。
マグネティック・ピックアップなので、とりあえず生でもアンプ使用でも
それぞれ使い易いようにGHSのホワイト・ブロンズという弦を張ってみました。
巻弦の材質が普通のブロンズとは違い、PUの音も良く拾いつつアコギ的な音もするという代物。
ゲージはライトより1つ細めの.011から始まるSetなのでエレキからの持ち替えも違和感ありません。

ちなみに普通のブロンズ弦でも使えますがバランス的に1&2プレーン弦
の音がエレキ使用時に大きくなり過ぎるので、PUのその部分のポールピースだけ下げる
といいでしょう。
エレキ用のニッケル系巻き弦は勿論問題ナシです。
本器はプレイヤーズコンディションな為コレクター向きではありませんが、市場に出る事も少なくなってきましたのでどなたか是非使ってあげて下さい。

持ち帰り用に日本製チップボード・ケースが付きます。
恐らく厚紙製(オリジナルもそんなケースだったらしいです)
