#404 Washburn, model 111 "1897 Style", "New Model" (1897-1905)2013/07/21

このところ何となく涼しくて、過ごしやすく寝やすいですね。
さて、昨日に引き続き今日もギターです。
■ワッシュバーン model 111 "1897 Style", "New Model" (1897-1905)used@★sold out★■
100年以上前のギターが入荷しました。
1864年にシカゴでジョージ・ワッシュバーンとパトリック・ヒーリーが作ったライオン&ヒーリー社から1900年前後に発売された1本。
こんなに古いとヴィンテージというよりアンティークですね。
この111はワッシュバーン・ブランドの中でもスタンダード・サイズで装飾も1番シンプル
なモデルですが材は現在と比べて驚くほど良質なものが使われています。
トップはスプルース。
時代背景的にアメリカ産のレッド・スプルース(アディロンダック?)ではないでしょうか。色合いや杢目もそんな感じです。
トップ裏のブレイシングはまるでXの1本だけを貼ったような斜めラダー・スタイルで大変ユニークです。
サイドとバックはブラジリアン・ローズ・ウッド(ハカランダ)の単板です。
杢目も最高です。
指板、ブリッジ、ナットは黒々としたエボニー。
ブリッジの両脇にはフラット・トップド・ピラミッドと呼ばれる、台型の装飾があります。
古いマーチンでもお馴染みのピラミッド型の先端が平らなものです。
ネックにはシダー材が使われています。
元々は太いVネックだったのですが、三角の頂点のみを少し削ってリシェイプしてます。
プロフェッショナルによる良い仕事で違和感はありません。
肝心のトーンに関しても変化が無いように配慮してあります。
弾き心地は昨今のリイシューものパーラーギターに近いもので、長時間演奏しても疲れません。
現代のモダンなギターでは(いや、40~50年代のギターでさえ)絶対に出せない心地良い音色です。
ボディーが小さ目のサイズなので、ヴィンテージ・ウクレレを集めてる人にもコレクションにお薦めしたい1本です。
いつでも傍らに置いておきたい気分になります。
オリジナルのペグは見た目が美しく、まだまだ使えます。
弦は19世紀ギターやウクレレで好評のナイル・ガット(人造ガット)が貼ってあります。
巻弦はシルク/コンパウンド系で、トーン・バランスも良好です。
現役バリバリの骨董品パーラー・ギターで、いにしえのオールド・サウンドを是非!
※ハードケース付

*当初1920年代のギターかと思いましたが、もっと古いモノでした。
初期〜1890年代半ば〜1905年以降ではシリアル・ナンバーの表記が違うそうです。
OLDワッシュバーンに関してはこちらの研究本がお薦めです。
Washburn Prewar Instrument Styles: Guitars, Mandolins, Banjos and Ukuleles 1883-1940