#403 Teisco Spectrum 5 Metallic Blue (1992年)2013/07/20


■テスコ・スペクトラム5  Metallic Blue (1992年)used@★sold out★■
1990年代は沢山のリイシュー・モデルが発表されましたが、中でも印象深いのは河合楽器によるテスコ・スペクトラム5の復刻でした。
アメリカでは87年にカスタム・ショップを設立させたフェンダー社に続いてギブソンも同系統の部門を発足、50's-60'sのギターの本格的なリイシュー・モデルを作り始めました。
しかし、それらの中心はあくまで王道or人気モデルでした。
ですので、突如としてこのような国産ビザール・ギターが細部に至まで忠実に復刻されたのは驚きだったのです。
スペクトラム5は1966年7月に日本のテスコが発売した最高級機種です。
独自の機能とデザインを備えたオリジナリティー溢れるものでした。
輸出もされました。
国内の定価は36000円…。ちなみに当時、大卒の初任給が24890円です。
この年の暮れから67年にかけて経営危機に陥ったテスコを河合楽器が買収合併、スペクトラム5の生産も短期間で終了してしまいました。
さて、本機は復刻初年度(1992年)のもの。
前オーナーによると初期ロットの個体だそうです(シリアル番号1730XX)。
ネックは真っすぐで、トラスロッドも左右に回ります。
4フレット目の指板に若干削れたような傷がありますが演奏に支障はありません。
ボディーを始め全体に大変綺麗で新品当時から大事にされていたようです。
独特のクリーン・トーンを持ち、そのサウンド・バリエーションも大変にユニークです。
まず1番下にあるスイッチはステレオとモノラルの切り替えで、ステレオにすると左右のピックアップ(1,2,3弦側)と(4,5,6弦側)がそれぞれ2つのアウトプット・ジャックから別々に出力されます。
2つのVoノブで音量を調節できます。
これは2台のアンプを使う事を想定した機能のようです。
モノにすると普通のエレキ・ギターになります。
その上にあるカラフルなスイッチを見てみましょう。まず上から
青=全てのピックアップがON(ハイパワー・ハムバッカー・サウンド)
緑=フロント&リアがON(ノーマル・ハムバッカー・サウンド)
黄=リアのみON(シングル・コイル・サウンド)
オレンジ=全てのピックアップがON(フェィズ・サウンド)
赤=全てのピックアップがON(ローカット・サウンド)
板バネ式のヴィブラートとブリッジを合わせたユニットはピカピカにメッキしたカバーが付いて、旧車のグリル&バンパーのようなカッコ良さがあります。
Spectrum 5のメッキロゴやTeiscoのエンブレムもそんな気にさせてくれます。
アルミ製のノブもクールです。
又、ボディー(マホガニー)の淵に削って窪みをつけた通称"ジャーマン・カーブ"も当時のモズライトやリッケンバッカーに通じる立体的でシャープなフォルムを演出しています。

まるで60'sの国産高級スポーツカーのような雰囲気を持った小粋な1本です。。
ケースはオリジナルのソフトケースが付属します。

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